ホストクラブに通っているうちに、身に覚えのない高額な請求をされたり、ホストクラブに通うために夜職で働いたりすることについて悩んだり、不安を感じたりはありませんか?また、そのお悩みを誰にも相談できないものだと考えていませんか?
このようなことも、誰かに相談していいことです。あなたの悩みに真剣に向き合ってくれる人が必ずいます。
「ホスト通いについて、不安はありませんか?」
- #依存症
インタビューについて
「本当はホストクラブに通うことをやめたいけれど、やめられない」
「ホストクラブに通っていて高額な請求をされているが、どうしたらいいかわからない」
今回は、そんな悩みを抱える方々を支援されてきた、特定非営利活動法人レスキュー・ハブの坂本さんにインタビューをして、実際に相談をしたらどのような支援が受けられるかをお聞きしました。

レスキュー・ハブ 代表 坂本 新
レスキュー・ハブは、主として風俗や売春などの性産業や、ガールズバー、コンカフェなどの水商売、また援助交際やパパ活などに従事することで被害に遭ってしまった、困った状況に陥っている、といった方々のお話を伺い、解決に向けた支援を提供します。
ホームページ:https://rescuehub.jp/
実際にある相談内容
- ホストクラブに通う方から、どのような相談を受けていますか。
- ホストクラブに通う方からは、高額な請求を受けてしまった、ホスト等への売掛金返済のために風俗店で働いたり路上売春をしている、そのような仕事をする中で予期せぬ妊娠をしてしまった、性行為の最中を撮影されたり、暴力などによる被害を受けてしまった、などの相談があります。
ホストに関する相談への支援
- 実際にホストクラブ通いをやめたい方、金銭的なトラブルがある方などが相談した場合は、どのような支援を受けられますか。今までの事例を参考に教えてください。
- 基本的には、相談に来る方の話をお聞きし、どのようなことに困っていて、どのようなことを望んでいらっしゃるのか、という希望に合わせて支援をしています。
以下、支援内容についてご紹介します。
主な支援内容
- メール、電話などでの相談
- 繁華街におけるアウトリーチ活動
新宿区歌舞伎町エリアを中心に、性産業や水商売等に従事している女性への直接的な声かけと相談カードの配布を行い、気軽に相談出来るような顔の見える関係性を築いています。 - いわゆる夜職に従事する女性のための立ち寄り所の開設
アウトリーチ活動と同時間帯に、トイレの貸出、携帯電話の充電、生理用品等日用品の配布、飲食物の提供、お話を伺える場所を開設しています。
事例1:「ホストクラブに通う生活を根本的に変えたい」という相談がありました。生活そのものを立て直す支援を実施するため、まずは今後どのような生活を送りたいか一緒に考えました。どんな理由でホストクラブに通う生活をやめたいのか、どんな生活をこれから過ごしていきたいか一緒に考えた後に、新しく働く職場も一緒に探しました。
その結果、新しい勤務先も見つけることができ、また売春をやめることもできました。
事例2:「相談者の部屋に彼氏となったホストが同居し始めたけれど、DVやモラハラを受けるようになったので逃げたい。逃げたいという気持ちはあるけれど、お金もスケジュールも全部管理されてしまい逃げられない」という相談がありました。この際は無償で車を手配し、彼氏が不在の間に荷物を車に積み込み、団体の管理するシェルター(※写真1)に避難してもらい、数か月間安全に暮らしてもらいました。
シェルターにいる間にホストと同居していた部屋を解約すると同時に、新たに住む部屋を借りるための新規契約も一緒に行い、落ち着いた状況で今後の人生について考える環境をつくることができました。

写真1:シェルターの様子
事例3:「ホストから身に覚えのない金額を請求されており、困っている」という相談がありました。不当な要求にどのように対応すればよいかのアドバイスをするのみでなく、本人の了承を得て弁護士に介入いただき、当事者の代理人として対応していただきました。身に覚えのない請求内訳に関しては、弁護士を通して請求金額の内訳提示を求めるとともに、相談者が本来支払う金額についてはその支払い方法や、弁護士が代理人となったことで、今後は直接本人と連絡を取らないでほしい、といった内容を文書にし、弁護士名で内容証明をつけて担当ホストに連絡すると、請求自体が止まるケースもあります。
事例4:「売掛金の支払いのために風俗で働いていたが、性病にかかってしまった。病院にも行けず、治療も受けられない」という相談がありました。
相談者は住む場所が無かったため、まず、一時的にシェルターに避難してもらいました。また、風俗で働くストレスにより精神的に不安定となり、処方された薬を定期的に飲むことが難しかったため、薬を飲めているか確認したり、一緒に病院に通院したりして、性病を治すことに専念してもらいました。
悩んでいたら、どんな悩みでも来てください
- コラムを読まれている方にメッセージはありますか。
- 少しでも迷っているならば、ぜひお話をしに来てください。
「私みたいな軽い相談で行っていいのかな」と思う場合もあると思います。
しかし、相談をしてみると自分が思っているより困りごとが深刻な場合もあります。一人で抱えることが一番危険なので、悩みの内容は気にせずに、とにかく少しでも悩んだら来てください。
誰かに相談をし、一緒に解決することが重要です。
コラムを読まれた方に
ホストクラブに通うことで起きる問題について、常に相談する方の話をよく聞き、支援を必要としている場合は、一緒に対応を考え、支援をされていることがわかりました。
ホストに関して抱える悩みがある場合、本コラムで紹介した民間団体の他にも以下の公的機関がありますので相談してみてください。
○ どこに相談して良いか分からない場合
→ 女性相談支援センター 【電話番号】#8778
(参考)厚生労働省HP 悪質ホストクラブ問題について
○ ホストクラブ等との契約などにおける消費者トラブルの相談
→ 消費者ホットライン 【電話番号】188
(参考)消費者庁HP ホストクラブなどにおける不当な勧誘と消費者契約法の適用について
○ 売掛金に係る契約等の取消の手続等各種法的トラブルに関する相談
→ 日本司法支援センター(法テラス) 【電話番号】0570-078374
(参考)法テラスHP 法テラス・サポートダイヤル
○ ホストに売春等を強要されている、追われている等の犯罪被害に関する相談
→ 最寄りの警察署への通報または
警察相談専用電話 【電話番号】♯9110
(参考)警察庁HP ホストクラブ等の売掛金等に起因する事件等について
○ 性犯罪・性暴力被害の相談
→ 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター 【電話番号】♯8891
(参考)内閣府男女共同参画局HP 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
お悩み・相談先リスト
「こんなことも悩みなのかな?」と思ったら、
お悩みやご相談の例をご確認ください。
悩みや困難の
背景や理由は様々です。
一人で抱え込まなくても大丈夫です。
- 妊娠・出産
- ひとり親
- 性的な被害
- DV
- ストーカー
- こころの不調
- 依存症
- その他
各地域の支援窓口を探す
電話からの相談や、お住まいの自治体窓口に
直接ご相談いただくこともできます
※該当する市町村がない場合、
お住まいの各都道府県の窓口をご利用ください
その他のコラム・インタビューを読む

予期せぬ妊娠、困窮……女性が人生を自分で決められるように。母子を支える「慈愛寮」という存在
人生におけるさまざまな困難のなかでも、予期せぬ妊娠や中絶は、女性特有の問題です。思いもかけぬ妊娠で働くことが難しくなり経済的に困窮したり、誰にも相談できずに悩んだりするケースは、珍しくありません。女性がひとりぼっちで中絶や出産をしないよう、支えてくれる人や場所はさまざまあります。その一つ、「慈愛寮」の熊谷真弓施設長は「女性たちが自分で将来を決められるようにサポートしたい」と話します。

DV、生活困窮、生きづらさ……あなたの悩みを聞かせて 自治体で広がる新しい女性支援のカタチ
DVや生活困窮、賃金格差などで弱い立場に追い込まれ、生きづらさを感じる女性たちは少なくありません。そんな声に耳を傾け、よりニーズに合った支援をしようと、2024年4月から「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援新法)が始まりました。全国には、早くからこうした女性たちの幅広い悩みに対応してきた自治体もあり、「新法をきっかけにより多くの女性に窓口があることを知ってもらいたい」と担当者らは呼びかけています。

性被害問題とは?
あなたの体と心はあなた自身のものです。あなたが望まない性的な言動は、すべて「性暴力(=性被害)」であり、人権侵害です。年齢や性別にかかわらず、また、身近な人や夫婦間・パートナー間であっても、性暴力は起きる可能性があります。被害にあったのは、「あなたが悪い」わけでも、「あなたに隙があった」からでもありません。