――実際の支援や活動の内容はどのようなものでしょうか。
色々な考えがあったのですが、何よりもトラウマを抱えた人がきちんと社会の中に戻っていける、自分のペースで暮らしを再建できるような「居場所」が必要だと思いました。札幌と東京で4つの施設を運営しています。
そのうちの3つは、札幌です。まずは何らかの被害に遭った女性たちのためのグループホーム。定員6人の5LDK一軒家とサテライト拠点のマンション一室があり、入居女性に「誰かの気配があっても怖くない、安心安全な生活環境」の中で、共同生活をしながら暮らしを取り戻してもらう場です。栄養バランスのいい食事、服薬や金銭の管理といったサポートをしており、当直・巡回などの体制も整えています。
このほかに継続して働く練習をする就業支援センター、障がいがある人が地域で暮らす時に必要な福祉関連の各種手続きなどをお手伝いする相談室があります。この相談室では、訪問形式で生活上の困難を一緒に解決する「自立生活支援」にも取り組んでいます。
東京では今年の5月から、困難を抱えた女性たちを対象とする4LDK2階建ての一軒家をシェアハウスとして開設しました。主にそういった境遇の妊産婦さんを支援するNPO法人「ピッコラーレ」をはじめ、多くの縁によって生まれた共同プロジェクトです。札幌のグループホームが長期スパンの包括的ケアを目指す「暮らしの場」であるのに対し、ここは1〜2泊程度のショートステイや最長3カ月の中期滞在が可能な「仮の家」。現時点では、医療機関などからの打診をベースに体調などの状況を鑑みて受け入れています。
利用女性らも集うスペースには、自ら生ける季節の花を絶やさない。秘書時代に学んだフラワーアレンジが役立っている
利用する女性は、一定の期限の中で身の振りかたを落ち着いて考えることができます。私たち運営側も「ご本人にとってどんな落ち着き先が理想で、どんな支援が必要か」を考え、候補を絞って提案します。入院や公的支援である障害福祉サービスとの違いは、そういったトリアージです。ここを拠点に生活保護の申請をするとか、それぞれの事情に沿って柔軟に対応しています。