性被害問題とは?

  • #性的な被害

この記事でわかること


性被害・性暴力とは?

あなたの体と心はあなた自身のものです。あなたが望まない性的な言動は、すべて「性暴力(=性被害)」であり、人権侵害です。
年齢や性別にかかわらず、また、身近な人や夫婦間・パートナー間であっても、性暴力は起きる可能性があります。
被害にあったのは、「あなたが悪い」わけでも、「あなたに隙があった」からでもありません。

いま、国や自治体では相談体制を広く整え、さまざまな性暴力に悩む人への支援を強化しているところです。自分が被害にあったときや、身近に被害が起きたとき、どう対処し、どこに相談すればよいか、参考にしてみてください。


性暴力とは、たとえば?

性暴力には、どのようなものがあるのでしょうか。紹介するのは一例です。以下にあてはまらなくても、あなたが望んでいない性的な言動は、「性暴力」です。


性暴力

あなたの同意なくおこなわれる性的な行為をさします。
“見知らぬ人から受けるもの”というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、パートナーや友人、知人、職場関係者、教職員など、身近な人が加害者になることが多いのが実情です。また、最近では、SNSやネットで知り合った人から性暴力を受けるケースも増えています。

以下のような行為をされたら、それは「性暴力」にあたります。

  • 体を触られる、性器を押しつけられる
  • キスや性行為の強要
  • 相手の裸や性器を見せられる
  • ちかんや盗撮
  • セクシュアルハラスメント

……など、被害の内容はさまざまで、これはほんの一例です。

また、以下のような事情で、Noという意思を伝えられない状況下で性的な行為がなされた場合も「性暴力」です。

  • 対等な立場でないこと

    先輩や先生、上司、取引先といった上下関係がある場合、あるいは相手との関係性から要求を拒否することで経済的な不利益を受ける、住む場所を失いうるなどの不安があり、要求に応じざるを得ないと考えてしまう場合など

  • 正常な判断ができない状態であること

    自ら、もしくは、相手が無理やり飲酒させたり睡眠薬やドラッグを飲み物に混ぜたりして意識がもうろうとしている場合

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性的虐待・家庭内の性暴力

性暴力のなかでも、保護者となる大人(実親や養親、親の交際相手、親族や養護施設の職員など)が、18歳未満の子どもに対して性的な行為をおこなうことを、日本では「性的虐待」といいます。
性的な興奮を目的として子どもの体に触ったり、子どもに性器や性的な行為を見せたりする行為も性的虐待にあたります。
そのほか、家庭内の性暴力としては、兄弟姉妹や親族が加害者となるケースも報告されています。

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性的搾取

相手の弱みにつけこんだり、力関係や信頼関係を利用したりして、性的に搾取することをさします。
たとえば、お金がない、帰る家がないといった状況を知りながら、売春や性風俗への従事を強要する、AVや児童ポルノの撮影をおこなう、それらをあっせんするなどの行為です。
具体的には、金銭と引き換えに性的な行為をおこなうパパ活、芸能のスカウトや高額アルバイトの営業を装いながら性的サービスにつなげるなどの事例が報告されています。

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性的な画像やSNSを利用した性暴力
(盗撮やリベンジポルノなど)

SNSやオンライン上のやり取りで16歳未満の子どもに性的な画像を送るよう求めたり、そういった画像や動画を同意なくネット上にあげたり、それを理由に脅したりする行為は違法です。
本人の知らないところで小型カメラやスマートフォンで盗撮されるケースや、パートナーや知人、SNSやオンラインゲームを通じて知り合った人に要求されて送るケースなどがあります。
「裸の写真を拡散するぞ」などと脅して、さらなる性的な画像や動画を求めたり、なかには金品をだまし取る行為につながる事例もあります。

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性暴力の被害にあったとき、「そんなはずはない」「大したことはない」と自分が受けた被害を軽く考えたい気持ちになることもよくあります。しかし、心の傷が残り、トラウマ反応や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などで長期間にわたり影響を受けてしまう人もいます。
まずは「自分が受けた行為は性暴力かもしれない」と認識することです。そして相談や支援をおこなっている場所があることを知り、あなたのペースで一歩踏み出してみてください。

PTSD

暴力や事故、災害など、トラウマとなる恐怖を体験した後、不眠や悪夢、フラッシュバックなどの症状が表れる。


もし性暴力の被害にあってしまったら


被害にあって間もない場合(※72時間以内)

  • まずは加害者から離れ、安全なところに避難を

    警察の性犯罪被害相談電話「#8103 」へ相談する、もしくは、「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(以下「ワンストップ支援センター」という)へ相談してください。
    すぐに相談しづらい場合でも、家族や友人といった信頼できる人を頼るなどして、あなたが安心できる場所に身を置きましょう。

  • つぎに、あなたの体の心配を

    被害から72時間以内であれば、ほとんどの場合、緊急避妊薬を服用することにより望まない妊娠を防ぐことができます。緊急避妊薬をもらうには、医療機関の受診が必要です。また、性感染症などの検査も、保健所や医療機関でおこなわれます。
    ワンストップ支援センター」は産婦人科や泌尿器科 などと連携していて、適切な医療機関へつなげてくれます。まずは相談してみましょう。

    被害のあと、「意識がもうろうとした」「体が思うように動かない」といった症状があるときは、睡眠薬やドラッグなどの影響の可能性があります。そのような場合は、なるべく早く、警察の性犯罪被害相談電話 「#8103」に連絡しましょう。

<加害者の特定や証拠採取のため、警察や病院へ行くときに持って行ったほうがいいもの>

  • 被害にあったときに着ていた服や下着(洗わずそのまま)
  • 加害者が触ったもの
  • 警察や病院に行く前に、なるべくシャワーやお風呂で体を洗わないことをおすすめします。

被害にあってしばらくたった場合

被害にあい、ショックを受けたことで、あなたの心や体にさまざまな変化が生じるかもしれません。どの症状もどの感情も、おかしいことではありません。

  • 妊娠や性感染症が心配
  • 体がだるい、やる気がでない
  • 人と会うのが怖い、外に出たくない
  • 突然涙が出たり、不安におそわれたりする
  • できごとを思い出すものに近づきたくない
  • 被害以降、精神的に安定しない
  • 加害者が憎い、訴えたい

妊娠や性感染症の可能性がある場合は産婦人科を、トラウマ反応や心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症している場合は心療内科や精神科を受診し、専門の医師に診断してもらいましょう。なお、性感染症の検査は保健所でもできます。

ひとりで医療機関を探したり受診したりするのに不安を感じる人は、産婦人科やカウンセリングなどをおこなう医療機関とも連携している「ワンストップ支援センター」に相談してみましょう。


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