性暴力には、どのようなものがあるのでしょうか。紹介するのは一例です。以下にあてはまらなくても、あなたが望んでいない性的な言動は、「性暴力」です。
性暴力
あなたの同意なくおこなわれる性的な行為をさします。
“見知らぬ人から受けるもの”というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、パートナーや友人、知人、職場関係者、教職員など、身近な人が加害者になることが多いのが実情です。また、最近では、SNSやネットで知り合った人から性暴力を受けるケースも増えています。
以下のような行為をされたら、それは「性暴力」にあたります。
- 体を触られる、性器を押しつけられる
- キスや性行為の強要
- 相手の裸や性器を見せられる
- ちかんや盗撮
- セクシュアルハラスメント
……など、被害の内容はさまざまで、これはほんの一例です。
また、以下のような事情で、Noという意思を伝えられない状況下で性的な行為がなされた場合も「性暴力」です。
- 対等な立場でないこと
先輩や先生、上司、取引先といった上下関係がある場合、あるいは相手との関係性から要求を拒否することで経済的な不利益を受ける、住む場所を失いうるなどの不安があり、要求に応じざるを得ないと考えてしまう場合など
- 正常な判断ができない状態であること
自ら、もしくは、相手が無理やり飲酒させたり睡眠薬やドラッグを飲み物に混ぜたりして意識がもうろうとしている場合
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性的虐待・家庭内の性暴力
性暴力のなかでも、保護者となる大人(実親や養親、親の交際相手、親族や養護施設の職員など)が、18歳未満の子どもに対して性的な行為をおこなうことを、日本では「性的虐待」といいます。
性的な興奮を目的として子どもの体に触ったり、子どもに性器や性的な行為を見せたりする行為も性的虐待にあたります。
そのほか、家庭内の性暴力としては、兄弟姉妹や親族が加害者となるケースも報告されています。
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性的搾取
相手の弱みにつけこんだり、力関係や信頼関係を利用したりして、性的に搾取することをさします。
たとえば、お金がない、帰る家がないといった状況を知りながら、売春や性風俗への従事を強要する、AVや児童ポルノの撮影をおこなう、それらをあっせんするなどの行為です。
具体的には、金銭と引き換えに性的な行為をおこなうパパ活、芸能のスカウトや高額アルバイトの営業を装いながら性的サービスにつなげるなどの事例が報告されています。
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性的な画像やSNSを利用した性暴力
(盗撮やリベンジポルノなど)
SNSやオンライン上のやり取りで16歳未満の子どもに性的な画像を送るよう求めたり、そういった画像や動画を同意なくネット上にあげたり、それを理由に脅したりする行為は違法です。
本人の知らないところで小型カメラやスマートフォンで盗撮されるケースや、パートナーや知人、SNSやオンラインゲームを通じて知り合った人に要求されて送るケースなどがあります。
「裸の写真を拡散するぞ」などと脅して、さらなる性的な画像や動画を求めたり、なかには金品をだまし取る行為につながる事例もあります。
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性暴力の被害にあったとき、「そんなはずはない」「大したことはない」と自分が受けた被害を軽く考えたい気持ちになることもよくあります。しかし、心の傷が残り、トラウマ反応や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などで長期間にわたり影響を受けてしまう人もいます。
まずは「自分が受けた行為は性暴力かもしれない」と認識することです。そして相談や支援をおこなっている場所があることを知り、あなたのペースで一歩踏み出してみてください。
PTSD
暴力や事故、災害など、トラウマとなる恐怖を体験した後、不眠や悪夢、フラッシュバックなどの症状が表れる。